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マクラーレンは本当に「アマチュア」に見えるのか?

なんともいろんな意味で微妙だったカナダGPを終えて、BBCF1のお偉いお方、アンドリュー・ベンソンが吠えているので訳しました。


訳してみての印象ですが、いやー、このひととにかく、ホンダに厳しい。というか、このひと前もこんなような文章書いてて、なんかマクラーレンが酷い結果だすたびにチクチク言ってくるんですよねー。いやまあ別にホンダがすばらしいなんて抗弁するつもりはありませんが(応援はしてますよ!)、そんな言わんでもーな感じ。


てかそもそも、今年のマクラーレンの車体はフェラーリ並みだ!アップデートが2発決まればメルセデス並みもありうる!ってマジなんですかねぇ。個人的には、思わず「キリッ」とか末尾につけたくなる発言ですな、的な感じなのですが、真偽のほうを判断できるほどの知識などもちろん持ち合わせてるわけもなく、とりあえず襟を正して正座してちゃんと読んでみたりしているのですが…。


ともかくも読んでも面白くはない記事なのかもしれませんが、ちょろちょろヤな感じのこと言ってるような文章*1はあまり日本語では伝わってこない傾向にあるので、まあ孤島ブログ的には逆張りでもしてみよかしら、といったところです。


元記事はこちら

カナダGP:マクラーレンは本当に「アマチュア」にみえるのか?


フェルナンド・アロンソは、マクラーレンとエンジンパートナーのホンダに向けたたった数秒の無線のメッセージで、絶望的に困難だったカナダGPの週末全体をまとめた。


燃料をセーブするようにとの要求に対する、年俸2600万ユーロ(4000万ドル)の二回のワールドチャンピオンからの返答は、疑いなくフラストレーションの噴出と解釈されるものだろう。マクラーレン・ホンダの何分の1かの予算のチームの新米ドライバーたちとの16位をめぐってのバトルのさなかのことだった。


悪名高くも気難しく、また多くを要求する性格との評判だが、今シーズンはこれまで平静と忍耐の一枚の絵画のようだった男の、真の考えがようやくあらわにされた一幕だった。


しかし、この返答は、ほぼ間違いなく、そういったことよりもずっと多面的で、より微妙なものだった。


ザウバーのフェリペ・ナスルが7.5秒後ろにいる。」アロンソは言われた。「われわれは燃料をセーブしなければならない。ターゲットゼロにしなければならない。」


「やりたくない。いやだ。」返答が来る。「今すでに大きな問題を抱えている、こんな状態で走っているし、アマチュアのように見えるよ。だから、レースがしたい。そのあとで燃料に集中するよ。」


「アマチュア」という言葉はかなり注目を集めた。そしてそれは、大いに歓迎されたF1復帰という中、ホンダの7レースがいまだに直面している課題の大きさを端的に物語っている。


一言で、アロンソはレースをまとめたのだった。この日本企業はポジティブな先行きを期待してのスタートをきったが、すぐに困難に直面することになった。


金曜午後時点では、ホンダF1のトップ新井康久は、この週末に対しとてもポジティブな感触があると語っており、ここでホンダはシーズン中に許可された9トークンのうちの2トークンを使用した。エンジンの信頼性と効率の向上を狙ってのことだった。


数時間後、ホンダは土曜朝の最終プラクティスの前にアロンソのエンジンを交換を余儀なくされる問題を発見した。アロンソがそのセッションの1ラップ目の走行をするころには、チームメイトのジェンソン・バトンのエンジンがストップした。そのせいでバトンはトラック上で立ち往生することになり、セッションも時間前に終わることになってしまった。


レースに車を間に合わせるのに必要だった新パーツのために、バトンはグリッド最後尾でスタートして、なおかつレース中のドライブスルーペナルティをも受ける羽目になった。


メディアはホンダの置かれた境遇を十分に理解していたので、これまでのところは新井氏に対し比較的あたりはやわらかだった。しかし、土曜の予選後には、彼は初めてメディアからの集中砲火にさらされることになった。彼の両脇に座っていたアロンソとバトンは、ともにうつむきがちであり、その表情はかぶっていたキャップに隠れていた。まるで次のように語るかのように。「僕らはこの事態と関わるつもりはないよ。」


24時間後、どちらの車も別々のエキゾースト関連の問題でレースからリタイアした。そしてアロンソの指摘したメッセージによって、ホンダの苦境は世界のテレビ観戦者に漏れ伝わることとなったのだった。


しかし、これはフラストレーションから生まれたものでもなければ、感情から生まれたものでさえない。


あるレベルでは、これは単に、アロンソが言ったように、「燃料をセーブするタイミングについての意見の相違」だ。


彼は言った。「自分をオーバーテイクしようとしている車に囲まれて、バトルの真っ最中にいるとき、燃料の優先順位は低いよ。レースの後のほうで燃料をセーブするための時間はもてるんだ。」


「だから、燃料セーブを3、4回伝えられた後、僕は言ったんだ。『今はレースをしてちょっと楽しませてほしい、あとで燃料のことは考えるよ。』ってね。」


それまでのレースやカナダでのホンダの信頼性の状況を考えれば、燃料セーブが切実な問題ではないとアロンソが考えていたというのももっともなことだ。もしそうなら、彼は正しかったことが証明される。


けれどもそれ以上に、これはほぼ間違いなく、早く準備を整えてほしい、というホンダへ向けたメッセージだ。


アロンソがメディア対応を終えたあと、マクラーレンのレーシング・ディレクターのエリック・ブーリエに対して、この件への質問が差し向けれらた。そのとき彼はこう答えた。「彼に聞いてくれ。」そしてその後で、こう付け足したのだ。「私はおそらくはイエスだと思うがね。」


アロンソがある時点で怒りだすのではとの懸念はあるかとたずねられたときは、こう語った。「もしわれわれが来年もこうならば、彼は間違いなく怒るだろう。しかしそういう事態にはならないと思う。」


「君たちは彼をいつも見ているのだから、君たちは彼が今いる場所に満足しているのが分かるだろう。彼は勝ちたがっている。われわれはそれを知っている。われわれは同じ課題を共有しているのだ。」


「彼はこの前、今年は来年に備えるためのテストイヤーのような年だと考えている、と私に語ったよ。だから、彼はフラストレーションを感じるほどに思いつめたりはしないだろう。」


たしかに車を降りるや、アロンソはいつものポジティブな彼にもどっていて、マクラーレン・ホンダのプロジェクトを信じている、このプロジェクトはよくなっていくだろう、フェラーリを離れたことに後悔はまったくない、と主張した。


しかし、マクラーレンとホンダは16位争いをするためにアロンソに4000万ドルの年俸を払っているのではない。彼は勝つためにそこにいるのであり、そしてその見込みはまだまだ薄ぼんやりとしたままだ。


マクラーレンは、メルセデスとの巨大なギャップはすべてがエンジンのせいなのではない、競争力を高めるには車にはまだダウンフォースが必要だ、と言って公的にはホンダを支える姿勢を見せている。


これは確かに真実であるが、メルセデスに対しての不足分のバランスとしては、明らかにエンジンのほうが重荷になっている。マクラーレンの車は実際にはとてもよい。


マクラーレンの車は、メルセデス搭載車に対し、ストレートで時速20km遅い。また複数の情報筋によれば、ホンダエンジンは少なくとも75馬力は劣っていて、エンジンのハイブリッド側に特別な問題を抱えており、燃費が目だって悪いようなのだ。これは、いくつかの指標では、今年のF1において、4つのメーカーのエンジンの中でワーストだということだ。


エンジンのパフォーマンスの不足のせいだとおもわれるタイムロスを考えてみると、マクラーレンは実際はとてもいい車だということは明らかだ。確かにメルセデスには匹敵しないだろ、しかし、フェラーリの域、すなわちグリッド上で2番目にすばらしい車の位置にはいる。


マクラーレンは次のオーストリアで、車への大きなアップグレードがあり、その次のイギリスでさらにもう一度予定している。もしそれらがチームが期待通りに働けば、車はメルセデスと同じくらい良くなることもないわけではない。


このことをふまえて考えてみよう。ホンダは2013年からエンジンの開発を始めていて、それはメルセデスが開発を始めた年から3年も遅れているのだが、おそらくはホンダは、F1への参戦が1年早すぎたのだ。しかし、参戦してしまったのだから、成功しなければならない。


「パートナーを非難することはたやすいが、われわれはサポートしていかなければならない。」ブーリエは言った。「われわれはこのリカバリーのための時間を加速させるのを手伝うためにサポートを申し出ているところだ。」


「公平のために言うと、彼らは2年前に参戦を決めた。ここにいて勝利することはたやすいことではない。われわれには登るべき山がある。だが、それはとても高い山のように見える。適切な装備を確実にすることが必要なのだ。」


メルセデスドライバーのルイス・ハミルトンニコ・ロズベルグが控えめだが余裕のワンツーを決め、パワー、燃費効率、ドライバビリティを兼ね備えたメルセデスエンジンが、残り8つの入賞の枠に5人のドライバーを送り込んだのを見たあとでは、ホンダは目の前の課題の大きさを見誤ることはないだろう、とわれわれは確信しているのだ。




アロンソ「ぷんぷん!」*2



☆個人的単語リスト
novice=新米
fraction=一部分、分数
fit=感情などの爆発、噴出
faceted=~の面を持つ
bit=一節、一場面
herald=~を歓迎する
encapsulate=~をカプセル化する
strand=~を座礁させる
grill=~厳しく尋問する
betray=秘密を漏らす
may well=~するのももっともだ
academic=机上の、非実用的な
get one's act together=しっかりする
yawning=~口を大きく開いた
conspicuous=明白な

*1:ちなみにコメント欄をさらっと見てみると、そもそもF1のレギュレーションが終わってるわ、みたいな論調っぽいです。ホンダが原因じゃ!とかはあまりなくて。いや、まあレーティングが高いコメントをちょっと見ただけなので断言するとアレであるのですがw

*2:と解釈させたげにこの写真を添付してたアンドリューさんまじ策士!(違