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Formula試験運転

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SKY:ライコネン&ベッテル対決を検証する

ベッテルライコネンに関する記事をSKYのサイトで見つけたので翻訳しました。

元記事はマーク・ヒューズ氏によるもの。彼は昨年のアロンソフェラーリ離脱騒動でとても興味深い記事*1を書いたことでも話題になった著名なジャーナリスト。って例によって自分もよく知らなかったのですが、どうやら向こうでは賞もいくつかとってたりもする名の知れた方だそうで。もちろんかの騒動に関する彼の記事については、向こうでも「なんでさも自分が同席したかのように書いてんのや!アヤシイ!」的な反応もありで真偽のほどは自分にはわからないのですが、ともかくも力のある書き手であることは分かります。

さて、これを読むと、今年のファラーリは本当にアリソンカーなんだなという感じがしてきますね。ライコネンがいた頃のロータスそのままの特徴を備えた車、とにかくタイヤに優しい。そして今年は、そんな車にライコネンだけじゃなく、ベッテルが乗っていて、ベッテルはそのスタイルゆえに、ワンラップではさほど強いようには見えなかったアリソンカーで速さを見せている。他方ライコネンはレースで強い…個人的にはぼちぼち面白い文章でした。難しかったけどw

それにしても、主に自身の能力上の問題なのですが、なんとも日本語に訳しづらい文章でした。特にやばそうなところは★ついておりますが、それ以外も心ならずもかなりごちゃっとした感じになってしまいましたがどうかご容赦をば。


ライコネンベッテル対決を検証する――2015年のフェラーリが二人に合っている理由

SKYF1のマーク・ヒューズが、フェラーリチーム内の優越権争い、SF15-Tがセバスチャン・ベッテルキミ・ライコネンの二人に合っているわけ、そしてパフォーマンス向上をもたらしている一目では分かりにくい変化について検証する。

フェラーリドライバーのセバスチャン・ベッテルキミ・ライコネンのパフォーマンスはシーズン開幕四戦において特に輝いている。


これまでの優れたドライバーたちと同じように★*2、優秀なドライバーを比較するときのその差というものは、なんらかの能力における重大な差によってというよりは、競争力に乏しい車★*3をいかにうまく運転するかという点によって、語られる。いつの日も変わらないことだ。これは現在の両フェラーリドライバーの比較においては明らかだ。ちょうど昨年からの改善がまさにそうである。


両ドライバーは、SF15-Tでは、それぞれ昨年のレッドブルRB10とフェラーリF14Tよりもうまく自身の力を発揮できている。その差は特にライコネンにとっては大きいものだった。というのも、ライコネンの2014年の車は、ベッテルの車よりずっと欠陥の多かったからだ。とにかくも、2014年は二人ともども、そういった車の欠陥をに対してドライビングを適応させていくことが――チームメイトのダニエル・リカルドフェルナンド・アロンソが可能だったようには、できなかったことを露呈してしまった。


テクニカルディレクターのジェームズ・アリソンが製作した車は、より素直な特徴をもっており、彼らは再び自らの持ち味をみせることができている。アリソンはこのフェラーリの車において、先進的で、扱いやすく、ピークレベルよりはダウンフォースの一貫性を優先させたのだった。彼らはともに、昨年の実績よりもずっと自身のポテンシャルに近いレベルでドライビングしている。


二人の昨年チームメイトもみな今年のフェラーリに乗っていたら、その差がどのようになるのかは、確かなことは分からない。しかし、あらゆる差が昨年よりはずっと小さくなると誰もが思うことだろう。


昨年のリカルド‐ベッテルアロンソライコネンの間のパフォーマンスの差は、彼らのポテンシャルの極限によるものというよりは、ベッテルと、とりわけライコネンに見られた、適応力の不足分のせいだった。


フェラーリでは、レースの真っ只中にこの部分が顔を出すのが何度も見られた。すなわち、ハードあるいはミディアムから、ソフトないしスーパーソフトにタイヤが交換されると、ライコネンアロンソに対して不足していた部分がかなり解消され、時には完全に克服されもした。もしそれが彼らのポテンシャルの限界によるものだったのなら、両者のギャップは変わらなかっただろう。


偉大なドライバーであることの一側面に、さまざまな特徴の車に合わせていく能力というものがある。それは、アロンソがとりわけ優れているところだ。ベッテルライコネンは、昨年この点で苦しんだせいで、真の偉大なオールラウンダーであるとは言いにくくなっている。しかしそれは、その種のドライバーが、車に要求するものがその手の中にあるときでも、偉大なドライバーと評するに足るレベルには達しないと言うべきものではない。そもそもベッテルライコネンはそのキャリアにおいて、何度も何度も偉大なドライバーと呼べる水準に達してきた。


今年のフェラーリのおかげで、彼らは昨年示すことが可能だった水準よりむしろ、自らのポテンシャルの方にずっと接近できている。それを背景に、彼らがお互いをどう比較するのかというの特に興味深い。今までのところ、ベッテルは予選においては、より強力なパフォーマンスを発揮することを証明してきたが、ライコネンは、バーレーンのレースでは間違いなくベッテルより強かった。ライコネンベッテルよりもタイヤを長くもたせて、結果として容赦のない速さを見せることができた。


ライコネンがそのレースで強かった理由は、彼が予選で奮わないのとまったく同じで、つまり、彼のタイヤへの入力が少ないドライビングスタイルによるものだ。それはタイヤに伝わる力を最小にする。それは、まさに本戦の日に求められるものであるが、一周のアウトラップのうちに必要なタイヤの熱を発生させるのに苦労する車の場合、予選では問題になりうる。これこそがSF-15Tの特徴のひとつであって、おそらくは事実上の主要な弱点である。


最適なタイヤ熱を生み出すには、複雑なメカニズムが働いている。もしトレッドが十分に路面にグリップしているのならば、生み出された熱はタイヤの中心まで浸透する。こうして最適な中心部の温度が生み出され、それによってタイヤが伸縮し、そこからグリップを得るのだ。


もしトレッドと中心部の温度が均衡しているのなら、タイヤにとっては嬉しいことでその耐久性は最大になるだろう。もしトレッドが路面を十分に捉えていない場合は、荷重は中心部における最適な熱を生み出すのには十分ではなく、タイヤは、最高の性能を発揮するには硬すぎる状態にとどまってしまうだろう。このことは次にはトレッドが十分にグリップしないことにつながり、循環する。


もし車がタイヤを過不足無く機能させているならば、タイヤを均衡に向かわせることは可能だが、それには数ラップかかるかもしれない。これがフェラーリSF-15Tが今まさにいる状況だ。そのせいで、一周で最高の状態にするのがトリッキーな車になっている。多量のエネルギーを注ぎ込むドライビングスタイルが要求され、最適な温度にもっていくためにはしばしば、高い荷重をかけなければならない。しかし、ひとたび最適な状態に達しタイヤが均衡すれば、低いエネルギー入力で耐久性を最大化できる。


ベッテルのスタイルは、ライコネンよりステアリングやスロットルの操作の両方ともにおいてずっと入力が大きい。それゆえライコネンが上海とバーレーンにおいて、アタックラップの最初のほうですごく神経質になって苦しむのをわれわれは目撃することになったのだ★*4ベッテルはアタックラップを始めるまでにうまく熱を生み出すことができ、それが今までの予選での勝利のガキになっている。


しかし、バーレーンのレースでのチャレンジは、速く走れるソフトタイヤを可能な限り最大限長く延命することだった。ここにおいて、ライコネンは明らかに優れていた。あまりにすばらしかったので、第一スティントの終わりまでには、ベッテルのせいで遅くなってると文句を言っていたほどだった。


選択されたタイヤのコンパウンドが、これからのトラックのレイアウトが要求するものとどれくら適合しているかが次のことを決定するだろう。a) フェラーリメルセデスに対してどれだけ競争力があるか b) ベッテルライコネンの戦いがどうなるか。


ドライビング比較のやり方というのは、F1ほど複雑なものにおいては、同じままであり続けたりはしない★*5。ゆえに、実際のところのドライバー間の相対的なパフォーマンスというものは、常に変わり続けている。正確に読み解いていくには、過度に硬直的な態度を戒めることが大切だ。


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この二人も早く拗れて泥沼のアツいチームメイトバトルに突入しないかなーw


☆個人的単語リスト
invariably=いつも、常に
not so much A but B=AというよりもむしろB
stark=荒涼とした、過酷な
benign=親切な、温和な
backdrop=背景
twitchy=引きつった、神経過敏な

*1:F1通信様が訳されております→h ttp://blog.livedoor.jp/markzu/archives/51960413.html 関係ないですが、個人的にはF1通信様はめっちゃ尊敬しております。あとベッテルニュース様とかもすごいですよね…

*2:As ever with drivers of this calibre.

*3:dovetails with the traits of the car.「車の形をした蟻継ぎ」ということでしょうか?っていうかdovatail=蟻継ぎってなんすかwみたいな感じでよく分かりませんが、まあ話の筋的にはイマイチ車をいかにうまく走らせるか、という感じっぽい(たぶん)ので、もはやがっつり意訳することにしました。

*4:we saw in both Shanghai and Bahrain how early in the lap Raikkonen struggled with big twitchy moments.

*5:Because the mechanisms driving comparisons do not remain static in something as complex as F1